Pythonによる業務シミュレーション

このサイトでは、業務を数値的に分析して、より優れた成績を達成するためにコンピュータシミュレーションを応用する例を紹介する。広く知られたプログラミング言語 Python と、無償で使えるライブラリを用いて、シミュレーションモデルを設計する。架空の工業製品を例にとって実行結果を考察する。本サイトのすべての作品はパブリック・ドメインに提供する。

デジタル印刷機における定期交換部品の交換時期最適化

メーカー、特に修理可能な製品をもつメーカーでは、定期交換部品 (消耗品とも) を定期的に交換するなど、製品の稼働と性能を維持するための保守サービスを提供している。こうした保守サービスを計画的に実施するためには、定期交換部品が所定の寿命を果たすことが前提となる。もし、寿命が計画よりも短かければ製品は故障し、顧客の業務に影響を及ぼすことになる。同時にメーカー側も、保守作業員を緊急に派遣して故障を修復し、機能を回復する責を負わなければならない。そのため、信頼性を重視した製品では、その稼働状況を通信ネットワークを介してメーカーに通知する機能を備えるなど、故障を未然に防ぐような仕組み (遠隔保守) が構築されている。

定期交換部品の交換時期を定めるためには、その寿命を推定する必要がある。しかし、顧客の用途や品質基準など、さまざまな要因 (未知パラメータ) が寿命に関連するため、メーカーは何らかの方法によって未知パラメータを求めなくてはならない。

この記事では、(1) 判明している情報から顧客の「未知パラメータ」を推定し、(2) それに基づいて定期交換部品の寿命を推定し、(3) 最適な交換時期を決めるというテーマを取り扱う。例題として、オンデマンド印刷に用いるデジタル印刷機を取り上げ、各テーマについてコンピュータシミュレーションを設計し、Python言語によって実装する。架空の印刷機とデータを使用して実行した結果を考察する。

1. モンテカルロ法による顧客未知パラメータの推定


図. モンテカルロ法による未知パラメータ推定の流れ。

2. 定期交換部品のライフ推定による交換時期の最適化


図. 印刷機の保守モデル

3. 【予定】予防保守の最適化による改善効果の推定


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